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統合失調症/Schizophrenia

否定的な自動思考に対処する

 うつ病における認知行動療法の目的は、抑うつ気分を軽減し、コントロールできるようになることです。その手法の第一は、うつ病の要因となっている否定的な認知に対して、反論や問答を行い、認知のゆがみに気づくことです。「本当にダメなのか?」と問い直すことで、他の考え方に目を向けさせます。心に根付いた信念は、疑いをもたないとなかなか変わりません。考え方の幅を「ダメ」から「ダメでもないかもしれない」へと広げることです。自動思考をつくりあげている三つの否定的な考え方に対して、「その根拠は何か」「本当に良くない結果になるのか」「他の考えはないのか」と反論することから始めます。考え方を広げることによって、認知のゆがみに気づくことになります。

 この自動思考の反論と合わせて重要なのは、行動活性化です。行動活性化とは、心から楽しみたいことを少しずつ行動にして現すことです。例えば「毎朝犬と散歩する」という習慣や、また毎日日記をつけることによって、徐々に物事が楽しめるようになります。義務感をもたずに取り組むことが大切です。この行動活性化は、治療初期から試行的に導入できる技法で、スケジュール表を用いて行うこともできます。

 うつ病患者さんの認知システムは、基本的には閉鎖システムになっているため、外部から新たな視点を与えないと、なかなか違った視点で物事を捉えることは困難です。外部からみてそれが不合理であっても、患者さん自身から見ればもっともらしく感じることが多いのです。この不合理な認知を合理的なものに変えていこうとするのが、認知行動療法という技法です。認知行動療法を受けると、思考や行動のパターンが少しずつ変わってきます。その変化に伴って、心と体が少しずつ元気を取り戻してきます。

対象期や適用できる病態

 うつ病に対する認知行動療法の対象期は幅広く、急性期、寛解期、維持療法中、入院中、外来患者さんなどのいずれの場合でも可能です。また、方法論においても、個人療法、集団療法と幅があり、最近ではコンピューターを使った方法も開発されています。認知行動療法の適用の幅の広さは、認知を中心に病態レベルを把握し、患者さんの認知レベルに合わせて対応が可能である点です。患者さんの状況を把握し、いま患者さんの認知がどのような状態にあるかによって、認知行動療法を適応するかは異なってきます。

 認知行動療法が適用できる病態とは、治療者がうつ病患者さんに対して、認知の三徴候について疑問を投げかけたとき、その偏りを患者さんが認識し、もしくは病気のせいでそういう認知をしやすくなっているという認識がもてるような病態のときをいいます。患者さんによっては、認知行動療法を非常に侵襲的に捉えたり、逆に病態を悪化させたりすることがあるので、注意深い選択が必要になってきます。なお、認知行動療法の実施においては、薬物療法や呼吸法、リラクゼーション、自律訓練法などと組合わせて行う場合が多いです。 

うつ病の集団認知行動療法

集団認知行動療法の特徴
構造化され、時間制限的な枠組みをもつ集団療法です。

 ひとつのクール(一般的に12回くらいのセッションで構成されている)の開始から終了まで、また各セッションの開始から終了までが構造化されていて、それぞれ目標や内容、進め方、時間配分などを段階的に設定した時間制限的な枠組みをもつ集団療法です。

集団の作用を活用しながら、認知・行動に関する知識や方法を獲得し、それがまた集団に効果的に働くという相乗効果が期待出来ます。

 個人認知行動療法と同じように、患者さんは認知・行動に関する知識や方法を学びますが、集団の場合はその作用を活用しながら知識や方法を獲得していきます。さらに、集団に対して治療的に働くという相乗効果が期待できます。集団療法の治療的因子としては、@希望をもてること、A普遍性、B情報の伝達、C愛他主義、D社会適応技術の発達、E模倣行動、Fカタルシス、G初期家族関係の修正的繰り返し、H実存因子、Iグループの凝集性、J対人学習などが挙げられますが、なかでも大切な点は、患者さん同士が互いに共通する経験を分かち合い、安心感を得る体験ができることです。

目標は、患者さんそれぞれがセルフコントロール力を高め、自身の社会生活上の問題の改善や課題解決をはかることです。

 集団認知行動療法の最終的な目標は、患者さんそれぞれが、自分自身をコントロールできる力を高め、社会生活における問題や課題を改善し解決していくことにあります。

うつ病患者さんへの効果
集団認知行動療法は、個人を対象にした認知行動療法と同程度、もしくはそれ以上の効果があり、また単独でも、薬物療法との併用でも症状改善に有効です。

 うつ病患者さんへの集団認知行動療法の効果に関する研究は、これまで主に欧米を中心に行われてきました。個人療法の方が、集団療法よりもわずかに優れているという指摘もありましたが、最近の比較対照試験の結果から、集団認知行動療法の方は、個人療法と同程度か、それ以上の効果があると言われています。また、集団認知行動療法を単独でおこなっても、薬物療法と併用しても、症状改善には有効であることが指摘されています。さらに集団認知行動療法は、短期間で多くの患者さんを治療できる点から、経済面でも効率がよいと考えられます。日本は欧米と比べると、集団認知行動療法の実践や研究を行っている施設が少ないのが現状ですが、これまで効果に関する報告はいくつかあります。

他者の認知の評価が、自分自身の認知の評価や修正に役立ちます。また、認知の修正作業が、他の患者さんの認知を共有することで、より容易になります。

 うつ病患者さんへの集団認知行動療法の効果に関する研究は、これまで主に欧米を中心に行われてきました。個人療法の方が、集団療法よりもわずかに優れているという指摘もありましたが、最近の比較対照試験の結果から、集団認知行動療法の方は、個人療法と同程度か、それ以上の効果があると言われています。また、集団認知行動療法を単独でおこなっても、薬物療法と併用しても、症状改善には有効であることが指摘されています。さらに集団認知行動療法は、短期間で多くの患者さんを治療できる点から、経済面でも効率がよいと考えられます。日本は欧米と比べると、集団認知行動療法の実践や研究を行っている施設が少ないのが現状ですが、これまで効果に関する報告はいくつかあります。










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