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教育環境 (2/2)

ADHDの子どもは「進学」や「就職」はできる?

その行動の特性から、学習に困難が生じやすいADHDの子。
しかし、多くの患者さんがそれを乗り越えて、進学や就職を果たしています。

ADHDの子どもには知的障害がないので、学習課題を理解する力そのものは十分に持っています。 しかし、学校の授業のような精神的緊張を覚える状況の中で、先生の話を最後まで集中して聞くことができないことがあります。 また、順序立てて物事を覚えていったり、推論することが苦手なため、本来持っている実力を十分発揮することができません。 結束としてテストでよい点をとることができず、勉強に遅れが生じることになってしまいます。 また、多動・衝動的な行動特性が原因で周囲と衝突することも多く、集団生活の場に置かれることが、心理的負担になってしまう場合もあります。 しかし、ADHDだからといって進学や就職をあきらめなくてはならない、というようなことは決してありません。 私の患者さんのほとんどは、進学や就職をしています。


「先生」や「クラスの保護者」には、どう話せば理解してもらえるの?

担任の先生には、ADHDであることをきちんと伝えましょう。
クラスの保護者には、資料などを示して説明するとわかりやすいはずです。

近年、学校教育の現場では、ADHDに対する理解が浸透しつつあります。 担任の先生にはきちんと診断名を伝え、授業の進め方や集中しやすい環境作りについて、子どもに合った対応をとってもらうようにしましよう。 基本的に、クラスの子どもたちやその保護者への症状の説明は、学校側が行うものです。

しかし、ADHDという言葉は知っていても、個別の対処法までは知らない先生が多いのが現実です。 このまま説明が不十分だと、ほかの保護者から「親のしつけが悪いのではないか」と非難されてしまうことも考えられます。 そんなときには、ADHDはアメリカでは一般的に知られている発達障害で、決してめずらしいものではないこと、本人や親も治療方針に沿って努力していること、周囲の人たちの協力と理解で症状は改善されることなどを中心に説明しましょう。 関連書を提示しながら説明すると、より理解が得られるはずです。


ADHDの子どもが「学級崩壊」を引き起こすわけではない

先生がいるにもかかわらず、子どもたちが騒いで授業が成り立たない「学級崩壊」。
その原因は、ADHDの子どもだけにあるわけではありません。

「学級崩壊」のクラスでは、誰もが先生の言うことを聞かず、授業中でも勝手に歩きまわったり友だち同士で遊んだりしています。 今も昔も、ADHDの子どもの数はさほど変わりありません。 学級崩壊の原因は、ADHDの子だけでなく、それを取り巻く周囲の子どもたちにも問題が起きていると考えることもできるのです。

「個性を尊重する」ことと「がまんしなくていい」ことは違います。 しかし「自由な教育」と「自分の好き勝手に行動してもいい」ことを、はき違えている親や子どもが増えてきています。 昔は、教室内で見られるADHD特有の行動を、「いけないことだ」と見る雰囲気があったはずです。 しかし、今の子どもたちは「じゃあ、自分もがまんしなくていいんだ」というふうに考えてしまいがちなのでしょう。 ADHDの子ばかりでなく、周囲の行動にも、目を向けるべきでしょう。

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