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職場のメンタルヘルスとうつ病 (2/5) : リハビリテーション

うつ病に対するリハビリテーション ―職場復帰に向けてのプロセス―

個人差もありますが、ほとんどの人はうつ病の適切な治療を受けることにより、だいたい3ヵ月から半年も経つと、ほぼもとのレベルまで回復します。 しかし、いきなり職場復帰を目指すと、回復がスムーズに進まず、復職したけれどすぐにまた再発して再休職してしまうというケースがよく見受けられます。 これはどうしてでしょうか。

休職期間中に、日々の活動量が減って体力が落ち、対人関係も希薄になり、徐々に仕事に対するチャレンジ精神が失せ、復職に対する自信が低下してくることが考えられます。 逆に目標設定が高すぎると、それに到達できない自分を責める気持ちが強くなり、不安や焦りにつながります。 これらは長期間仕事から離れていたことによる不安定化要因といえるでしょう。

そこで、休職者をいかにスムーズに職場に復帰させるかといった、職場復帰のためのリハビリテーションに力点が置かれるようになってきました。 治療をはじめるとイライラや不安感、憂うつ感が少しずつ改善してきて、生活への興味が戻り、外出したりテレビや新聞を読んでみようかという意欲が戻ってきます。 思考力や集中力も徐々に回復し、趣味を楽しめるようになってきます。

この回復の経過は、一直線に良くなるものではなく、良くなったり悪くなったりを行きつ戻りつしながら、一歩ずつ階段をのぼっていくように回復していきます。 回復の道筋は、人それぞれ異なるものなので、一定の時間がかかることを念頭においてください。

「少し調子が良くなったから、薬を飲まなくても大丈夫」と、自己判断で治療を中断してしまうと、せっかくのぼってきた階段を転げ落ちてしまう危険性があります。 慌てず焦らず諦めず、ステップ―バイ―ステップで治療に専念しましょう。

自分1人でリハビリに取り組む場合

まず規則正しい生活のリズムを維持することからはじまります。 朝は決めた時間に起床し、太陽の光を浴びて着替えをし、1日のはじまりを自覚します。 これは体内時計をリセットするうえで、重要なことです。 うつ病の人にとって苦手な朝を、どう乗り切るかが最初のポイントになります。

調子が悪いからといって午前中だらだらと寝ていたり、二度寝三度寝をくりかえしていると、うつ状態からなかなか抜け出せません。 朝食はきちんと摂るように心がけましょう。 昼間は、散歩や軽い運動を心がけましょう。 少しずつ行動範囲を広げ、公園や図書館に通ったり、気の合う友人に会ってお喋りをするのもいいでしょう。

徐々に調子を取り戻してきたら、新聞に目を通したり、好きな本や雑誌を読んだり音楽を聴いたりして、以前の趣味を楽しんでみましょう。 また、仕事に関連した書類をパソコンで作成してみたりするのもいいでしょう。 家族とのコミュニケーションも、負担にならない範囲であれば回復の助けになるでしょう。

1日の終わりには、その日を振り返り、起床時間・就寝時間、気分や体調を記録しておくことをおすすめします。 日記をつけるのも結構ですが、あまり深刻に思い詰めた内容だと、かえって逆効果になってしまいます。 その日の天気や気分、出来事などを簡単に記しておけばいいでしょう。

もし負担になるようでしたら、この作業は早々に切り上げ、早めに体を休めることが大事です。 ただ実際には、患者さん1人で自宅を中心に復職を目指すのは、モチベーションを維持するうえでしばしば困難を伴い、自宅静養で症状が回復しても、職場で仕事ができるようになるレベルまでには、大きな隔たりがあります。

次に述べる「職場復帰支援(リワーク)プログラム」を利用して、復職準備をすすめることが、理にかなっているといえます。

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