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職場のメンタルヘルスとうつ病 (1/5)

メンタルヘルス不調・不全による休職者の実態

「2006年度国家公務員長期病休者実態調査結果の概要」(人事院発表)によれば、一般職の国家公務員で1ヵ月以上病気により休職している人は、6105人(全職員の2・04%)となり、2001年度の調査のO・46%から3倍近く大幅増加しています。 その約7割が気分障害による休職です。

地方公務員や公立学校の教員も、ほぼ同じような状況にあります。 がんや循環器系の病気による休職者の数がさほど変化していないにもかかわらず、心の病による休職者数は急増しています。 一般企業においても、「メンタル面の不調により1ヵ月以上休職している社員がいる」と答えた企業は62・7%で、年々増加しています。
(「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策に関する調査結果」労務行政研究所2008年)

また、休職者の65%は働き盛りの30代が中心で、メンタル不調のうちもっとも多いのは、うつ病を含む気分障害で8割以上におよんでいます。
(財団法人・社会経済生産性本部・メンタルヘルス白書2007年版)

2009年度における心の病による労災申請は927人で、うち269人が認定されています。 これを年代別にみると、やはり30代が28%ともっとも多く、次に20代、40代と続きます。 脳や心臓の病気など、体の病気による労災申請が中高年に多いのに比べて、心の病による休職は、比較的若い世代に多いという特徴があるといえます。

この年代は、企業にとって中核的な戦力であり、仕事の量・質とも過重になりがちですし、社会変動に伴って将来に対する不安も強く、さまざまなプレッシャーからうつ状態に陥りやすいと考えられます。 いったん休職に追い込まれ、適切な職場復帰ができない場合、退職せざるを得ないこともあり、本人はもちろんですが、企業にとっても大きな損失であり、従業員のメンタルヘルス対策に力を入れている企業は増えてきています。

うつに至るよくあるパターンとして

気分障害に限らず、職場におけるメンタルヘルス不調者は、初期段階では共通した症状がみられることが多いものです。

まず身体症状として、頭痛、腹痛、胸痛、めまい、吐き気、食欲低下、下痢、便秘、不眠、発熱、動悸、高血圧、胃十二指腸潰瘍、不整脈、喘息、蕁麻疹、円形脱毛症、月経困難症などがあらわれます。 次に行動面のサインとして、遅刻、早退、欠勤の増加、集中力の低下、ミスや事故の増加、協調性の低下、孤立、生活時間の乱れ、アルコール、ギャンブル、サラ金、家出、暴力などがあげられます。 そして精神面においては、情緒不安定、感情の起伏が激しくなる、不機嫌、陰気、無気力、うつ病発症という段階的なステップを踏みます。

職場復帰にあたり職場に望むこと

うつ病で休職していた人が、回復して職場復帰するとき、かならずしも完全にうつ病が治ったということとイコールではありません。 長期休職者は、復職にあたって多くの不安を抱えています。本人に不利な扱いや不用意な接し方は、いきなりダメージを与えます。 思いやりのある気持ちで見守ることは大切ですが、特別扱いすることなく、自然な接し方を心がけましょう。

うつは大波小波をくりかえしながら徐々に回復していくものですから、「昨日できたことが、今日はできない」ということもあります。 それは怠けているわけではありません。復職前には本人(必要ならば身近な人)を含め、主治医や会社の上司や産業保健スタッフと十分な相談をし、スムーズに復職に滑り出せるよう有機的な連携をとっておくべきことはすでに触れました。

職場における二次うつ

職場でうつによる休職者が出ると、その人の分の仕事を別の人が背負わなくてはならず、物理的・心理的負担から、休職者の代わりを引き受けた人が二次的にうつ病に陥ってしまうということがあります。

休職者が多いと、ますますそのリスクは高まり、職場の雰囲気も悪い方向へ流されがちです。職場のリスクマネジメントが一層求められるゆえんです。

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