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認知症の原因

認知症の50%はアルツハイマー型、20%が脳血管性、レビー小体型が20%と言われています。

アルツハイマー型

アルツハイマー型認知症では、脳全体(特に側頭葉や頭頂葉)が萎縮して(小さくなって)いきます。 成人では通常1,400グラム前後ある脳の重さが、発症後10年位たつと800〜900グラム以下に減ってしまいます。 アルツハイマー型認知症の脳を顕微鏡で観察すると、神経細胞と神経細胞の間に老人斑(シミのようなもの)や神経細胞の中に神経原線維変化(糸くずのようなもの)がみられます。 そして老人斑や神経原線維変化の増加に伴い、神経細胞が減っていきます。神経伝達物質の異常は、アルツハイマー型認知症の発現に深く関与しているものと考えられます。 アルツハイマー型認知症では、いろいろな神経伝達物質の減少がみられますが、記憶の働きに関わる神経伝達物質アセチルコリンの減少が特に強いことが明らかにされています。

脳血管性型

根治療法が確立されていないアルツハイマー型の認知症と異なり、脳血管性の認知症は、原因となる病気への対策が立てられます。
しかし、どれほど方法があっても、対処が遅れて脳細胞の損傷が進んでしまったら、もう再生はできません。 治療やリハビリなどのタイミングを逃さないためにも、まず病気の特徴を知っておくことが大切です。

  • 急激なものと段階的なもの
    多くの場合、脳梗塞や脳出血など脳卒中の発作によって脳の神経細胞が死滅すると、認知症の症状があらわれるようになります。 手足のしびれ、めまい、吐きけや嘔吐など一過性の発作を繰り返していくうちに徐々に認知症が目立ってくる場合と、意識障害や片マヒなど突然の脳卒中発作が発端となり、卒中が回復した直後から症状があらわれる場合とがあります。
    脳梗塞や脳出血などの脳卒中の発作で、急激に脳の神経細胞が死滅する場合は、始まりが比較的はっきりしています。 しかし、脳の小さい血管にいくつもの梗塞が起こる多発性脳梗塞によって認知症になる場合も多く、このタイプは段階的に進むので、発症時期がはっきりしません。
  • 背景に病気がある
    ほとんどの場合、脳の血管を傷めるような、あるいは脳血管に破綻を起こすような病気を放置することで起こってきます。 高血圧・糖尿病・脂質異常症は、脳血管性認知症を引き起こす三大因子です。また、狭心症や心筋梗塞もリスク因子になります。
  • 病識(病気であるという認識)がある場合が多い
    記憶障害や場所・時間などがわからなくなる見当識障害が起こり、人格の変化が見られます。末期まで病識を保つ人が多いのも特徴です。 発症直後から、片マヒ、嘸下障害、歩行障害など、身体的な能力の低下があらわれる人も多いようです。
  • 身体に現れる症状
    片麻痺 意欲、自発性低下 小刻み歩行などの歩行障害 頻尿、尿失禁 構音、嚥下障害

レビー小体型

レビー小体型認知症は60歳〜80歳代の初老期から老年期に多くみられる認知症ですが、まれに40歳代で発症する人もいます。 脳細胞に、特殊なタンパク質などからなるレビー小体という物質が沈着して発症します。

症状の特徴
物忘れを中心とする認知症がありますが、特徴的なのは、現実にはないものがなまなましく見える「幻視」や「うつ症状」、体がこわばる、動作が遅くなる、転びやすくなるなどの「パーキンソン様症状」。 また、日によって時間によって、頭がはっきりしていたり、ぼうっとしていたり、症状に変動がみられるのも特徴です。 初期は、幻覚や妄想、抑うつといった精神症状が目立ったり、初めにパーキンソン様症状が起こってくることもあります。 レビー小体型認知症は、認知症とパーキンソン病が合併したような病気です。
対処
最近は、レビー小体型認知症についてかなり知られるようになりましたが、それでもアルツハイマー型認知症と誤って診断され、適切な治療を受けていないケースが少なくありません。 患者本人にとっては幻視による動揺が大きく、普段から不安感が強くなるため、家族も接し方に困惑することがよくあります。
その典型的な症状である幻視の例としては「部屋の隅に子供や動物がいる」といったものです。本人にはかなりはっきりと見えているといわれます。 レビー小体型認知症の診断には脳SPECTやPETとよばれる機器を用います。後頭葉とよばれる部分が障害されると幻視などの視覚障害が現れます。 レビー小体型認知症の治療は薬の処方を中心に行います。アルツハイマー型認知症でも用いられる「塩酸ドネペジル」という薬がよく効くといわれています。
また、最近の研究でポリフェノールに含まれる成分が認知症の改善に効果があることもわかってきました。 幻視の度合いが強い場合は「非定型抗精神病薬」を少量用いることもあります。

パーキンソン症状が発生している場合は一般的にパーキンソン病の治療薬を用います。 レビー小体型認知症はその重症度がわかりにくい面があります。幻視にかんしては本人の世界を否定しないのが基本的な姿勢といわれています。 幻視を強く否定するとうつや不安障害をまねくこともありますので注意が必要です。本人の不安感を軽減させるような付き合い方が大切です。
また、一人きりでいると症状の悪化につながりますので家族との同居やホームへの入所など、人と接する環境を維持するようにしましょう。

認知症の進行の仕方

初期:老化と間違えやすい時期
重要な約束を忘れたり、新しい土地への旅行がむずかしくなるなど、物忘れや知的能力の低下はありますが、単なる老化現象と見分けがつかない時期です。
・物忘れはゆっくり進み、初めのうちは自分でも気づきますが、そのうち自覚が薄れていきます。 探し物がだんだんふえていき、「いつものところにない」「盗まれた」といって騒ぐこともありますが、慣れた環境での日常生活には支障ありません。
・こういった時期が2〜3年、人によっては5〜6年、ゆっくりと経過していくこともあります。
中期:混乱期で問題症状が活発化
・家計の管理や買い物などがむずかしくなります。必要なものを必要な量だけ買う、といったことができなくなります。
・その瞬間の事柄しかわからず、季節の見当がなくなります。過去の記憶は比較的保たれるので、現在と過去を混同することもあります。

すでに亡くなっている人が生きているような言動があらわれることもあります。自分の生年月日は言えますが、現在の年齢が答えられない人が多くなります。 「実家に帰る」「会社に行く」などといって外出し、徘徊するのが問題になってくるのも、この時期です。 日常の動作では、衣服の前後がわからず着方がおかしくなる、家電製品の扱いがわからない、家事の手順がわからなくなる、入浴ができない、といったことが起こるようになります。

・トイレ以外の場所での排泄など、排尿・排便の失敗がふえていきます。
・この時期も2〜3年つづきます。
後期から末期:介助が必要な時期
・脳の萎縮がさらに進みますので、言葉や数の認識が失われ、会話が通じなくなります。集中できなくなるため、食事には介助が必要になります。
・この時期になると、身体機能も衰えていきます。歩行が緩慢になったり、姿勢が保てず、前や左右どちらかに傾くようになります。 さらに進むと、立位や座位が保てなくなり、歩けなくなっていきます。

寝たきりかつづくようになると、手足の関節がかたく曲がっていきます。 だんだん、水や食べ物が飲み込めなくなったり(嘸下障害)、食べ物を認識できなくなります。 そのため栄養不良や、誤嚥による肺炎の危険性も高くなり、死亡原因の一つになります。
予後:病気の経過と見通し
アルツハイマー病の発病からの全経過を統計で見ると、平均して約8年、長い人でも十数年で死亡するという結果が出ています。 一度失われた脳細胞は、残念ながら現代の医学では元に戻すことはできず、細胞消失は慢性的に進んでいきます。
合併症の発見が遅れることも多く、病気を抱えていない人より余命は短いとされています。





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