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疫学的統計頻度

 現在、非定型うつ病の人はどのくらいいるのでしょうか。うつ病のなかで、非定型うつ病の人が占める割合を調査した報告があります。この調査は、医療機関を受診しているうつ病患者を対象に調べたものと、一般市民のなかにいるうつ病の人を対象に調査した二種類があります。

 この調査報告によると、大うつ病患者のなかで非定型うつ病を患っている人の割合は31%、一般市民では25%の人が非定型うつ病でした。また、軽症の躁うつ病(双極性障害U型)の人を対象にした調査では、なんと58%が非定型うつ病だったという報告もあります。非定型うつ病は、軽いうつ状態が慢性的に続く「気分変調性障害」の人に、比較的多く見られますが、ただこの気分変調性障害を対象にした調査はまだ行われていません。調査が進めば、かなり高い確率で非定型うつ病の患者がいるものと思われます。少し以前ですが、アメリカの二つの疫学調査によると、一般市民のなかの非定型うつ病の割合は、1980年代では0.7%だったのが、1990年代では3.8%と数倍の増加を示しているといわれますから、今日においてはかなりの割合で患者が増えていることが予想されます。

 現場の臨床に携わる専門医の声のなかには、全うつ病患者の40%に相当する人が、非定型うつ病の診断基準を満たす患者で、このほか診断基準は満たさないがその傾向がある人や、非定型うつ病的な状態にある人を加えると、全体では60%前後の人が非定型うつ病に該当する病態ではないかと述べています。これを考えると、非定型うつ病は、今やごく一部の特殊の病気ではなく、日本においても、今後は国民病にもなり得る精神疾患のひとつになるかも知れません。




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