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疫学的統計頻度

 うつ病で苦しむ人は、世界的にみても着実に増え続けています。コロンビア大学のワイスマン教授は、1970年代半ばから1980年代後半にかけて、世界的な規模で調査しています。調査範囲は、北米、西ヨーロッパ、中東、プエルトリコ、アジア、環太平洋地域にわたり、3万9000人の地域住民に対する疫学調査と、4000人を対象にした家族調査を行いました。その結果、調査したすべての国でうつ病にかかっている人が増えていることが判明したといいます。多い国では、人口の15%というデータもあります。またうつ病の発症については、それぞれの国の社会情勢や経済状況、歴史や文化的要因の影響を受けていることもわかり、発症の要因の特徴として、現代社会がいかにストレスの多い社会であるかが浮き彫りにされています。

 一方、アメリカ精神医学会が作成している『DSM-W-TR』(精神疾患の分類と診断の手引)には、うつ病の中でも大うつ病と呼ばれる症状にかかる人の割合は、生涯有病率が全体で15%、男性で5〜12%、女性で10〜25%とされています。女性の25%といえば、4人に1人の割合で、この数字をひとことで言えば、誰でもかかる可能性があるありふれた疾患といえます。また、WHO(世界保健機構)の報告によると、世界の人口の3〜5%がうつ病にかかっていると推定しており、これを日本の人口に当てはめると、360万〜600万人がうつ病にかかっている計算になります。アメリカでは、成人男性の8〜11%、女性の18〜23%が一生涯のうち一度はうつ病を経験するという調査もあります。

 日本では、まだうつ病に関する大規模な調査が行われていないため、実態は不明ですが、こうした世界的な傾向から推測して、うつ病の患者の数は確実に増加傾向にあるものと思われます。厚生省(現在の厚生労働省)の患者調査をもとにした推計では、うつ病などの気分障害があると医療機関で診断された人の数は、1984年に約10万人だったのが、1994年には約20万人に増え、4年後の1998年には2倍強の約43万人へと急増しています。うつ病に対する理解が年々広がり、以前よりも気軽に医療機関を訪ねる人が増えている事もありますが、うつ病がより多くの人にとってポピュラーな病気となっていることを裏付けていることになります。

 また、厚生労働省による有病率の統計によれば、うつ病の12カ月有病率(過去12カ月に経験した割合)は、欧米で1〜8%、日本では1〜2%と報告されています。生涯有病率は、欧米で3〜16%、日本では3〜7%です。こうして比較すると、日本は欧米に比べて割合は低くなっています。その他の疫学研究によると、生涯のうちにうつ病にかかる可能性については3〜16%。生涯有病率は6.7%、12カ月有病率では3.1%といった報告もあります。これらの研究結果から、生涯の間には15人から7人に1人がうつ病にかかると考えられます。性差の発症率では、男性よりも女性において2倍ほど高くなっています。つまり100人に4〜5人がうつ病らしき病気にかかるという事になります。

 現在日本のうつ病の患者は、100万人ぐらいと言われていますが、実際には500万人以上いるものと考えられます。また、受診に当たって実際はうつ病であるにもかかわらず、一般の病院の内科を受診しており、その患者のうち約10%はうつ病であることがわかっています。これは風邪(感冒)に次いで多く、高血圧と同じくらいの頻度の病気であることになります。ただし、うつ病は検査などによって明確に診断できる疾患ではないため、診断基準が少し変わるだけで、患者数にかなりの差がでます。





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